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2013年07月01日

中国軍「わがまま兵」が増加 背景に一人っ子政策

中国軍「わがまま兵」が増加 背景に一人っ子政策
朝日新聞 2013 6 30

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【峯村健司】中国各地で、兵士の規律低下が問題視されている。
その背景にある大きな要因が「一人っ子政策」だ。 

中国軍系の解放軍報は2011年3月、演習での失敗例について
詳しく報じた。瀋陽軍区の装甲師団が戦車による敵地急襲を
訓練したが、あっさりと「敵方」に発見されてしまったという。
軍機関紙には珍しく否定的な報道だった。

ある一人の兵士が、携帯音楽プレーヤーを使っていたために
探知された。音楽好きで「訓練中でも手放したくなかった」と
調べに答えたという。甘やかされがちで、わがままな「小皇帝」とも
呼ばれる一人っ子世代らしい態度といえる。

中国軍徴兵制と志願制を併用しているが、近年は事実上、
志願兵だけで定員が満たされてきた。
18歳になる男子の中から、各地方政府が体力や思想検査に
合格した者を採用している。

もともと軍隊は、除隊後も共産党員になったり国有企業に
入ったりするのに有利なため、人気の職場だった。
特に現金収入が少ない農村の第2子、3子にとっては
あこがれの的だった。

ところが「一人っ子政策」世代が入隊するようになると、
志願者は激減した。入隊に反対する親も少なくない。
北京だけでみても適齢の若者は08年に56万人いたが、
12年には30万人まで落ち込んだ。

シンクタンク関係者は「さらに少子化が進めば軍の存亡に
かかわる深刻な問題となる」と危機感をあらわにする。

 
北朝鮮兵士が投降、鉄条網・地雷原すり抜け 韓国に衝撃
【ソウル=牧野愛博】昨年10月2日深夜、朝鮮半島を南北に
分断する非武装地帯(DMZ)。日本海の近くに位置する
韓国軍
哨戒所の窓ガラスを、何者かがノックした。
音のした方角を見た韓国軍兵士は仰天した。
すぐ外に北朝鮮軍兵士が立っていたからだ。

この北朝鮮軍兵士は9月29日未明、50キロ以上離れた
場所で、駐屯していた部隊を抜け出した。
10月2日午後8時ごろ、DMZ内に張り巡らされた北朝鮮側の
2重鉄条網を越えた。地雷原を通り抜け、韓国側の
3重鉄条網も突破したという。

韓国軍は東西248キロ、南北4キロにわたるDMZ内に
約100カ所の哨戒所を置く。赤外線探知装置や

監視カメラもある。北朝鮮軍兵士はそれらをくぐり抜けた。
韓国側の取り調べにこう語った。
「最初にたどり着いた哨戒所には人がいなかった。
2番目は明かりがついていたが、玄関をたたいても反応がなかった」

北朝鮮への守りが、やすやすと破られた。韓国のメディアは、
ごく普通の部屋に入ってくるかのような投降ぶりから
「ノック帰順」と呼び、世論は沸騰。
韓国軍
の関係者が処分される騒ぎに発展した。

DMZ内は荒れ野で障害物が多く、最後は人の目だけが
頼りになる。
だが全哨戒所のうち韓国軍兵士が詰めているのは
7割ほどに過ぎない。哨戒所1カ所には30〜40人の兵士が
24時間態勢で詰める。少子高齢化時代を迎え、兵員が
減り続ける韓国軍にとっては、その態勢維持が大きな
負担になっているのだ。

韓国保健福祉省によれば2012年の出生率は1・30。
15〜64歳の生産年齢人口は17年から減少、
総人口も31年から減り始める。

主に20代が兵役に就く軍にはその影響が直接及ぶ。
韓国国防省は05年、軍の近代化を進めつつ兵員を
減らす計画を発表。06年当時は68万人だった兵員は
現在61万人。さらに20年までに52万人程度へ減らす計画だ。
要員計画に携わった関係者は「人口減は避けられない。
計画を変更することはできない」と苦衷を語る。

■兵役忌避、細る軍隊

「私の不徳の致すところだ」。今年1月29日、韓国の
朴・新政権の初代首相に指名された金容俊元憲法裁判所長が
指名を辞退した。理由の一つが、2人の息子の兵役逃れ
疑惑だった。韓国では、有力政治家や資産家の子供が、
偽の診断書などで兵役逃れを図ったという疑惑が絶えない。

1960年代に6前後あった出生率は急落。一人っ子家庭が
増え子供を兵役に行かせたくない親の思いはますます強まった。

韓国政府は07年、陸軍24カ月、海軍26カ月、空軍27カ月
だった兵役期間を14年までに6カ月ずつ短縮すると発表した。
朴大統領も昨年の大統領選中、陸軍の兵役を
「18カ月にする」と公約した。

だが、陸軍の兵役期間は現在、21カ月で凍結中。
10年3月の韓国哨戒艦沈没事件など、北朝鮮軍
よる挑発が相次いだからだ。

韓国政府関係者によれば、同盟国の米国からも、韓国軍
兵役短縮を不安視する声が多く聞かれるという。
米国自体、国防費の削減を目指すなかで、朝鮮半島有事に
増援69万人を約束したかつての力はない。

韓国軍軍事力近代化で事態を解決しようとする。
05年の計画で、20年までに潜水艦を2・6倍、多目的ヘリは
2倍に、最新鋭戦闘機は1・7倍に、いずれも増強を目指すとした。

だが、そのためにはカネがいる。

少子高齢化で、韓国では福祉関係予算が膨張している。
韓国保健福祉省によると、13年の少子化対策関連予算は
約11兆ウォン(約9500億円)。2年前の予測では
7・4兆ウォンだったが、保育分野などの投資が予想以上に
膨らんだという。

08年には介護保険制度も導入したが、60年には生産年齢の
人口比率が5割を切ると予測される。財政負担は決して
楽観できない。「国防を取るか、福祉を取るか。どちらも
切り捨てられない」。韓国政府関係者はそう言って黙り込んだ。

 
台湾の兵士、精鋭化狙い志願制へ 背景に少子化の影響
【台北=鵜飼啓】「志のある若者に、軍に加わってもらいたい」 

5月末、台湾南東部にある空軍の台東志航基地。戦闘機
模範飛行を披露した梁●勝・中校(中佐、●はさんずいに元)は
そう力を込めた。台湾軍は、特殊部隊の活動を紹介する
イベントを開くなど、あの手この手で若者の軍への関心を
高めようとしている。

中国の軍事的脅威と向き合い、長らく徴兵制を敷いてきた
台湾だが、15年に志願制への全面移行を目指す。
背景にあるのは、やはり少子化の影響だ。12年の
出生率は0・99。1年間に生まれる子供の数は80年代
初頭は約40万人だったが、昨年は約23万人だった。

兵役期間はかつての2年が、1年に。実際に兵士として
機能できる期間はごく短い。「これでは戦える軍隊として
機能しない」との判断が、志願制への全面移行を後押しした。

だが、「精鋭化」を掲げ、現行定員27万人を21万5千人まで
引き下げる計画にも、「本当に集まるのか」と懸念が深まる。

シンクタンク「台北論壇」が12年にまとめた報告書によると、
台湾軍の規模は定員引き下げ後でも人口の0・93%。
ほぼ100人に1人が軍に入る計算だ。自衛隊の0・18%、
米軍の0・48%を大きく上回る。

台湾北部の新兵募集センターは、多い時で月に40回ほど
募集活動をする。幹部によると、高校で200人、300人を
相手に説明してもだれも関心を示さないこともある、という。

台湾でも若者の就職は厳しいが、肉体的につらい仕事は
敬遠されがちで、軍はその典型。民間人材バンクなどを
活用しても、年間募集目標の半分に届けばいい方だという。
魅力を高めるため給与を倍増させる構想もあるが、
財源難で実現の見通しは立っていない。

軍出身の陳勁甫・元智大学副教授は「実際にどの程度
必要か、定員を検討し直すこともあり得る」と指摘。
現在約8%の女性兵士の比率の引き上げや文民の登用、
補給部門などの外注を検討すべきだとする。
「あまり可能性はないかもしれないが、外国人の雇い兵を
使うという考え方もある」



コメントです
中・韓・台の軍事事情です
いずれも、少子化で兵士の量、資質が低下している
内容の話題ですが、そうやって、自然と軍事力の
抑制につながれば、かえっていいかもしれませんね。



posted by salsaseoul at 03:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国・台湾